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寄留商人の妻として −古賀花子さんに聞く−(16)

新崎盛暉著「沖縄現代史への証言(下)」沖縄タイムス社・1982年−より




  □ 尖閣列島の処分

 ――黄尾嶼は米軍の演習場になっていますね。あれは最初
から、まだ本土におられるときから、軍用地料は入っていた
んですか。
 古賀 あれはね、初めはぜんぜん入らなかった。それで、
古賀の友人に三井物産の砂糖部の頭をやっている人がおりま
した。その人に頼んで書類を書いてもらって申請したんです
よ。そしたら、すぐにその月から出ました。驚くはど早かっ
たですよ。
 ――尖閣を処分されようと思ったのは?
 古賀 あれはね、栗原さんが、私どもがまだ国場ビル隣り
にいる頃、二度ほどお頼みに来られたんですが、古賀はそっ
けない返事をして「売らない」としか言わなかったそうです。
そしたら、その後、三年ほどしてから、何度も見えられまし
てね。で、あんまり言うもんだから、南小島と北小島、あれ
はいま何かしようと思っても何も出来ない島だけど、それで
もよかったら、その二つはお譲りしましょうと言ったんです。
そしたら、結構です、その代わり、魚釣島をお売りになると
きの証文代わりに頂いておくというわけなんです。で、その
二つはお売りしたんです。そしたら、一昨年の八月、十月に
も見えられた。そのときは主人の具合が悪かったんで、その
ままだったんですが、去年の二月にもまた見えられたんです。
そのとき古賀は、はっきりは言わなかったんですが、それだ
けおっしゃられるんなら、まあ、へんなことにお使いになら
れないんだったら……というような意味のことを言ったんで
す。
 そのあと三月五日に古賀は亡くなりましてね。で、亡くな
ったあと四月にまた来られたんで、まあ、古賀もああ言って
いたし、私もいつなんどきお参りするかわからないし、古賀
の言うところを含んで下されば、ということでお譲りしたん
です。
 ――何に使うということはお聞きになりましたか。
 古賀 純枠の金儲けというか、人に転売するようなことは
絶対にしないということでした。まあ、あの頃から石油の話
はすでに出ていましたしね、石油が出ることは確かなんです
から。それはどういうふうになるかはわかりませんけれど…。
(以上−141頁−上段10行〜下段22行)


  あの方は山やなんかもたくさん持っておられて、由緒のある 
家柄の方だそうですから、何か新しい自分の好きなものを…
やりたいんじゃないでしょうか。よくわかりませんけれどね。
 ――これまでをふりかえってみて、現在、沖縄をどういう
ふうにお感じになっていらっしゃいますか。
 古賀 第二の故郷……というより、ここが私にとっての故
郷ですね。
  ――それでは、きょうは長時間、どうもありがとうござい
ました。
(以上−142頁−上段)





 〔後記〕

 寄留商人は、沖縄社会にとってみれはいわばヨソ者である。
それだけに、この人たちが沖縄社会に与えた影響は決して小
さくないにもかかわらず、彼らの果した役割を具体的に明ら
かにするような作業はまだあまり進んではいないように思わ
れる。まして、彼らの構成する社会の内側からこれを見ると
いうようなものはほとんどない。
 この章は、冒頭の設問の部分でも述べたように、『新沖縄
文学』の特集との関連で企画された聞き書きではあるが、古
賀さんの話は、期せずして寄留商人の社会とその周辺のあり
ようを浮かびあがらせてくれることになったと思う。
(以上−139頁−下段)




author:senkakujapan, category:尖閣諸島と古賀商店, 23:16
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