2004/07/15 (産経新聞朝刊)
ヘリテージ財団報告書「海自哨戒、米軍参加を」
【ワシントン=古森義久】東シナ海の天然ガスなど海底資源をめぐる中国の最近の動きについて、
米国の大手研究機関の「ヘリテージ財団」は十三日、
中国の行動は日本側の領海や資源への侵犯であり、
日米同盟に挑戦する危険な冒険主義だとする報告書を発表した。
報告書は米国政府が中国の海洋での野望を抑止し、
対日同盟を堅持するために日本の尖閣諸島の領有権を支持し、
東シナ海での海上自衛隊の哨戒行動に米軍が参加すべきだと勧告した。
(中略)
報告書は中国の調査船や海軍艦艇が最近、
東シナ海の日本の領海や排他的経済水域(EEZ)に再三侵入し、
その一方、EEZの日中境界線近くで天然ガス開発を続けることに対し、
米国政府が日本側への明確な支持を表明することを提案。
その表明がないと
「中国の日本側EEZへのさらなる侵入と冒険をあおり、日米同盟への日本の信頼を侵食する」
と警告している。
報告書は中国が東シナ海での行動で日米同盟の機能基盤を試しているとして、
米国にとって日本はアジアで最重要な同盟相手である以上、
尖閣諸島が日米安保条約の適用対象となることを
繰り返し言明すべきだとも米国政府に対し勧告している。
(中略)
さらに、尖閣諸島が日本領であることは明白だとしてその歴史的経緯を述べ、米国政府に対し
(1)尖閣諸島について日米安保適用だけでなく領有権が日本にあることを明言する
(2)中国のいまの天然ガス開発作業は国際合意に違反しており、
中国側のその関連の海上行動を監視する日本の自衛隊の警戒活動に米軍も加わることを促した。