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“宝の海”狙う中国 資源戦略の壮大
東シナ海の「ガス田」開発をめぐる日中間の対立は、双方の主張の隔たりが大きく、“一触即発”の状態が続いている。だが、中国側の関心は天然ガスや石油だけではないようだ。中国側がこれまで海洋調査を行ってきた東シナ海や太平洋側の日本近海には、ほかにも豊富な天然資源が眠っている。「未来の鉱石」と呼ばれる海底鉱物資源だ。

本誌 中国問題取材班/撮影 読売新聞写真部


東シナ海で中国が開発を進める天外天ガス田=日本名「樫」。生産開始が確認された9月中旬よりも、噴き上がる炎は弱くなっている(2005年9月30日撮影)

 日本は「海洋国家」だが、その海を隔てて、すぐ隣に多くの国々がひしめき合っていることを意識する日本人は少なかった。当たり前のことなのに、忘れられていた意識を多少なりとも呼び起こしたのが、今回の東シナ海での問題だといえるだろう。

 下図を見てほしい。日本が主張する排他的経済水域(EEZ=水中や海底・地下の天然資源などを開発・利用できる、沿岸200カイリの水域)のすぐ外側には、韓国はもちろん、中国、台湾が近接する。与那国島と台湾とは、まさに目と鼻の先だ。フィリピンも遠くはない。

 海といえば、日本人には「魚」のイメージが強いが、日本に接する他国、とりわけ中国の関心は、海といっても、もっと深いところ、すなわち海底の天然ガスや石油に向いていた。そして、海の境界線が確定しないなか、うかうかしていると、日本が権利を主張し得るものまで持っていかれかねないことを、今回の問題は浮き彫りにしたのである。

 しかも、中国が関心を持つ日本近海には、ガスや石油だけでなく、将来的に有望な資源が豊富にあるという。それについては後述するとして、ひとまず焦点になっている東シナ海のガス田問題をおさらいしておこう。

 現在、日中間で問題になっているのは、東シナ海で中国が開発中の四つのガス田。うち一つは、9月中旬、生産開始を示す炎が確認された。

 四つは、いずれも日中中間線(日本が主張するEEZの中国との境界線)近くの中国側にあり、日本の調査では、これらのガス田は、海底で日中中間線をまたいでいるか、その可能性が高い。エネルギー資源獲得に躍起となっている中国側が、このまま開発を進めれば、日本側の天然ガスまで吸い取られかねない。

 そのため、昨年10月から日中間での協議が断続的に行われてきた。そして、今月1日まで開かれた3回目の局長級協議で、日本側は四つのガス田についての共同開発を初めて提案。中国側は、

 「真剣に検討する」

 として、中旬以降の次回協議で回答を出すことを約束した。

 だが、先行きは不透明だ。なぜなら、前回5月の協議で、中国側は中間線の日本側海域での共同開発を提案しているのだが、この海域とは、中間線から南西諸島(沖縄本島などを含む列島)に程近い「沖縄トラフ」までの広大な海域を指す(下図の濃い赤色部分)。日本側の主張とは全く食い違っているのだ。

 ちなみに、トラフとは、水深5000メートル未満の帯状の海のくぼみのこと。沖縄トラフ(水深700〜2000メートル)は南西諸島に沿って、幅約100キロ、長さ約1100キロにわたって続いている。

 中国側は以前から、この沖縄トラフまでの大陸棚について権利を主張しており、中国側が提案した共同開発の範囲は、この主張に沿ったものだ。しかし、この主張を認めれば、たとえ共同開発とはいえ、南西諸島のすぐ近くまで中国に開発の権利を認めることになり、日本側としては容認できるものではない。




あいまいな国際法も紛糾の一因
 それにしても、中国側が、南西諸島の間近まで大陸棚の権利を主張する理由は、何なのだろうか。日本人の常識からすれば、全くの暴論とも思えるのだが、国際法的には根拠がないわけではないという。

 その根拠は、1969年の国際司法裁判所(ICJ)の判決で示された、大陸棚の「自然延長論」という考え方だ。芹田健太郎・愛知学院大学教授(国際法)は、こう説明する。

 「ドイツ、デンマーク、オランダが北海の大陸棚をめぐって争った裁判の判決で、ICJは次のような考え方を示した。大陸棚は沿岸国の陸地から海中に向かって自然の延長をなしているので、沿岸国は陸地の部分の主権と同じように大陸棚の主権も有すると。要するに、大陸棚は大陸のものというわけです」

 確かに、東シナ海の大陸棚は中国大陸から続いている。こう聞くと、中国の主張に理があるように見えるが、そうとは限らないという。日本の主張は、82年の国連海洋法条約に基づくものだからだ。

 「日本の主張は、EEZの境界線(日中中間線)の下で大陸棚の権利も区切るというものですが、これは国連海洋法条約に合致した考え方。大陸棚よりEEZを優先するというのが、国際的な流れになっているのです」(芹田教授)

 ただ、中国の論拠である「自然延長論」も国際的に否定されたわけではないという。実にややこしいのだが、要するに、国際法上、EEZの境界線の下で大陸棚の権利を区切る考え方と、「自然延長論」とが併存していて、そのあいまいさが、日中の問題をこじらせている側面もあるのだ。

 ただ、芹田教授は、

 「島にも大陸棚が認められている点を忘れてはいけない。中国は沖縄トラフで大陸棚が終わると主張しているが、日本側は、中国大陸から続く大陸棚が南西諸島の南の南西諸島海溝まで続いていると見ている。そうなると、一つの大陸棚を両国が共有していることになるので、『大陸棚の権利は共有する日中の中間線で区切る』という日本の考え方が妥当ということになります」。

 実際、地質学の専門家の調査でも、大陸棚を形作っている「大陸性地殻」は沖縄トラフで切れてはおらず、南西諸島海溝まで続いているという。

沖縄の海底下に鉱物資源
 もちろん、中国側が大陸棚に強い関心を示すのは、単に国際法の解釈問題からではないだろう。

 日中中間線から日本側の大陸棚には、有望な石油・ガス田が数か所以上存在し、日本の国内消費量の1年半分にあたる30億バレル相当の石油・天然ガスが埋蔵されているとの試算もある。13億人を抱えて経済成長を目指す中国は、国内石油生産が頭打ちになっていることもあり、エネルギー資源確保が至上命題。のどから手が出るほど欲しいに違いない。

 さらに、油ガス田以外にも、中国が関心を持つ豊富な鉱物資源が日本近海には眠っているというのだ。

 なかでも注目されるのが、沖縄トラフに点在する「海底熱水鉱床」だ。この鉱床は、海底の地下から高温の熱水に溶け込んだ重金属類がわき上がり、硫化物として塊や泥状に固まったもの。その中には金、銀、銅、鉛、亜鉛、鉄など貴重な金属が豊富に含まれているという。

 沖縄県の委託で昨年度、社団法人「海洋産業研究会」が行った海洋資源開発の基本調査によると、沖縄本島の北西側と与那国島の北方の沖縄トラフに計8か所の「熱水活動域」が確認されている。

 同調査に携わった木村政昭・琉球大学教授(海洋地質学)は、

 「沖縄トラフの場合、鉱床が地層のように広がっている可能性がある。これまでの調査は海底の表面のみなので、ボーリングをしないと埋蔵量は分からないが、おそらく世界的に見ても有望な鉱床といえるでしょう」。



沖ノ鳥島(東京都小笠原村)の東小島(奥)と灯台を設置する予定の観測施設(本社機から/2005年3月28日撮影)
 東シナ海ではないが、中国が頻繁に海洋調査を行ってきた沖ノ鳥島周辺など太平洋側の深海底にも、有望な鉱物資源があるという。

 代表的なのは、希少鉱物であるマンガンやコバルトを豊富に含む「マンガン団塊」だ。団塊は、水深4500〜6000メートルの深海底に鉱物の塊として転がっている。マンガンは鉄鋼生産、コバルトは特殊鋼などの生産に欠かせない。

 メタンを主成分とするガスが水と混ざって氷結した「メタンハイドレード」と呼ばれる資源も、太平洋側の海溝斜面にあるという。

 「メタンハイドレードは将来、石油に代わるエネルギー源になる可能性もあり、相当な資源価値があるとみられている。こうした深海底資源は将来、掘削技術が発達すれば、活用が可能。中国が太平洋側で頻繁に海洋調査をしているのも、こうした資源に関心があるからではないでしょうか」(木村教授)

 中国が昨年から、沖ノ鳥島を、島ではなくて「岩」だと主張し始めたのも、この海底資源の存在と関係があるかもしれない。「岩」の場合は、国連海洋法条約でEEZを持てないとされており、日本のEEZでなくなれば、中国が資源を利用することが可能になるからだ。

 ちなみに、2003年12月に中国政府が発表した「中国の鉱物資源政策」と題する白書には、中国政府の海底鉱物資源に対する並々ならぬ関心が示されている。同白書は、中国は人口が多いため、1人あたりの鉱物資源保有量は世界的にも低い水準にあると指摘したうえで、海上油ガス資源の探査・開発と他の鉱物資源に関する研究を強化し、国際海底鉱物資源の探査・開発にも積極的に参画していく――と、うたっているのだ。

海底火山にも関心示す

 一方、中国側の関心は、海底火山の活動にも向けられているとの見方がある。中国の海洋調査の動向をチェックしている情報当局者は、

 「中国の調査船は、小笠原諸島近海など海底火山活動の活発な地域にも出没している。海底火山が爆発して、島が出来れば、最初に見つけた国が領土として主張できる。太平洋への出口を日本列島に阻まれていると感じている中国にとって、太平洋側の小さな島であれ新領土ができれば、大変な価値がある。台湾有事の際に、米軍の動きを阻む軍事上の拠点にすることもできるからです」。

 いずれにせよ、日本近海の海洋に異常なまでの関心を示す中国に対し、日本は、どう対処すればいいのか。

 現在、焦点になっている東シナ海の問題については、

 「試掘に向けて粛々と進むしかない。安全確保のために必要な法整備も行う必要がある」(日本エネルギー経済研究所の十市勉・常務理事)

 といった意見が有力になっている。

 ただ、これまで述べてきたように、問題は東シナ海の日中中間線付近だけではないということだ。前出の木村教授によると、

 「中国は海洋研究所をいくつも持ち、80年代から活発に海洋資源の研究を行っている。海洋調査船の数も多く、海洋大学で優秀な人材を育成している」。

 それに対し、日本の現状はお寒いと、木村教授は指摘する。

 「日本は海洋国家といいながら、水産(漁業)関係ばかりに力が注がれ、海洋資源の研究は重視されていない。大学の研究費も削られる一方で、大阪城の外堀が埋められていくような感じ。このままでいいのでしょうか」

 日本が海洋国家として、21世紀をいかに生き延びていくのか。20〜30年先を見据えた長期的な戦略が求められている。

author:senkakujapan, category:尖閣諸島, 19:01
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